京都アジャイル勉強会について
アジャイルサムライ読書会in京都が終わり、引続きアジャイル導入を考える方達(自分も含め)のための勉強会を京都で行うということで、そのまま「京都アジャイル勉強会」という名前で、人も内容もほぼそのままに始まりました第一回。
アジャイルサムライは読んで終わりでなく、実践して経験値を積むときの指南書となる本だと思うので「京都アジャイル勉強会」では、アジャイルサムライにでてくる数々の手法を本番前に何度も経験し失敗し、本当に身体で覚えるまでやって本番は楽に乗り切ろうという試みのもと行っています。
もちろん既に本番をやっているけれど、経験値を積みたいという方も大歓迎(実際に数名参加されています)。
第一回となる今回は、「色々試そうプランニングポーカー」と題してプランニングポーカーで色んなことを試して、試した結果を皆で考え共有しようということで行われました。
実践
参加者が、11名だったため、5名、6名の2チームに分かれて各藩で、プランニングポーカーの見積もり対象となるシステムを決めてそのユースケース出しから入りました。
私の藩は、「オンライン上の年賀状作成ソフト」です。
そこから、10こ程度のユースケースを考えて、そのユースケースに対して見積もりを行いました。
最初に手持ちのカードは、1、3、5、?の4枚。
3を基準値として「仕様が大きくぶれにくく規模が大きくも小さくもないユースケースを3としました」。
その後、それ以外のユースケースの見積もりを皆で行いました。
4枚で見積もりした内容を今度は、1、2、3、5、8、?の6枚にして行い枚数が増えることによって、結果や思考がどう変わるのかを試そうという試みでした。
実際は、1回目の見積もりの内容が本当にシステムを作るかのように議論が熱くなり2回目の見積もりは駆け足となってしまったため詳細に比べることが出来なかったのですが、1回目で見積もりできたユースケースに対してのみ2回目の見積もりを行ったとところ面白い結果になりました。
1回目で同じ3を出していた人同士が、2回目では、2、5になる。
1人は、2が入ったことで1よりは大きいけど3よりは小さいから3を出していたのが、2が出来たことで2に変わる
もう1人は、8が入ったことにより3よりは大きいけど5よりは小さいが5をだすとそれ以上大きい値がなくなるため3としていたけれど、8が入ったことにより5に変わる。
ということを考えていました。
だしたカードが同じだからといって同じ判断でそのカードを選んだとは限らないということが分かる。
ということは、見積もり時のユースケースの粒度によってはカードの枚数を6枚程度で行いあえて意見が割れるようにしてみることで、チーム内の意見を引き出し安いと感じた。
あと面白かったのは、説明しているうちに意見が変わってしまうことが多々あったこと。
考察
実際の見積もりだと見積もりが合わない場合に、各機能についてどうしてこんなにかかるのかということを延々と話し合い結果数人日とかひどいときには数時間の削減を迫られたりするのだけれど、実際数ヶ月前に数人日や数時間の想定をしたところでいざ作業に着手したとたんに、あれが必要これが必要とかであっという間に数人日オーバーになっていく。
相対見積もりだと議論になる箇所が、見積もり工数ではなく仕様や前提条件になるため不毛な工数削減に合いにくくそもそも、詳細ではないくせに詳細な話になることが防げるということを改めて実感した。
また、今回ユースケースについてはあまり時間をかけずに作成したため、内容についての前提条件が確定していなかったこともあり、実際にカードを出し合ってからの議論が長くなった。
見積もりを行う前に、ユースケースの前提条件や理解度を合わせておいた方が工数の決まっている本番では良いと感じた。
余談
CSMの研修でプランニングポーカーを行った際も、仕様について15分ほど話し合う時間がさかれたと思う。
ただ、その時面白かったのは出された仕様をチームで検討する時間を与えるので、仕事を受けるかどうか答えてくれというもので、検討後チームの代表が前に言って講師に仕様を受けるかどうかを聞かれた際にチームの代表の仕様についての質問はいっさい受けずに、とにかくYesと言わせようとしていたこと。
で、あまりの講師の圧力になし崩し的に大半がYesと答えてしまっていた。
ここでは、絶対に圧力に屈しては駄目で即席の見積もりや、安請け合いは結局交渉の条件に使われてしまうという教訓だったと思う。詳しくは「リスバーガー」で検索すると分かる。
次回も引続き「色々試そうプランニングポーカー」をやります。