Agile Japan 2012に参加! #1に引続き午後のセッション2
「アジャイルをも活用した新しいビジネスモデル」に参加
受託開発をやっている身としては、
発表されたときからすごく気になっていたビジネスモデル。
永和システムマネジメントさんの「価値創造契約」について
詳細はこちら
http://www.esm.co.jp/new-agile-contracts-service.html
気になっていたポイントは、
お客様にどうメリットとして受け取ってもらうのだろうか?
というところ。
チケットという単位でサービスを作ってもらうことで、
今までよりお客様にとって何が良いのか?
聞いた内容や質問した内容をまとめると
- お客様には2つのやり方を提案して、どちらがよいか選んでもらったり、向いていると考えた場合は提案している
- エレベータピッチを作成して、それを元に開発途中の要求変更と照らし合わせを行っている
- 価値創造契約を行ったお客様の評価は良い
- 開発側の課題としては、良さをお客様に伝えるのが難しい
- 価値創造契約を行うお客様と、WFのお客様は大きく異なる
参加者から「チケットという概念がお客様にとって理解しがたいのでは?」という質問があり、
ピボータルトラッカーにやりたことを追加していってもらい1チケットの分量や内容を状況に応じてお客様とすりあわせている。
チケットプランは、目安であって当てはまらない場合は柔軟に対応している。
とのことだった。
肝心の気になったポイントの明確な回答は得られなかったけれど、お客様の評価が良いということが何よりうまく言っている証拠だと感じた。
自分が実際に提案するなら、信頼貯金がたまっているお客様へは提案して受け入れてもらえそうな気がするし、気に入ってもらえそうだと思う。
また、早いサイクルで動く物が手に入りかつ、着手前なら優先度も変更できるわけだから一度価値創造契約を体験したお客様は元の受託契約には戻らないのではとも思った。
難関は、信頼貯金がないor新規のお客様へどう説明するか。
これは、Agile開発をお客様に提案することと同意かな。
ソニックガーデンさんの「ソフトウェアパートナーシップモデル」について
詳細はこちら
http://kuranuki.sonicgarden.jp/2011/09/post-50.html
聞きながらなので、かなり端折ってしまうけれど
- 常駐はしない(のぞまれることもある)
- 瑕疵担保責任は負わない
- 月額定額でおこなっている
- お客様がサービスを確認するためのテスト環境は、Herokuを使っている
- 見積もりをしていないので、開発途中の機能の抜き差しは開発に何も影響しない
「価値創造契約」のチケットという概念について聞かれて、
チケット性を導入してしまうと、1チケットでどこまでできるという見積もりが発生してしまうから取り入れなかったと言われていた。
開発にあたるメンバーには、かなりのスキルが必要とされるため人材育成が大変なのでは?という質問に対しては、
徒弟制で行っている。
また、格安で研修生が行うことを選ぶことも可能で、その品質は師匠が担保する。
新人はそれで育って行き、雑用の用なことはさせない。
中途を採用する場合でも、週1ぐらいで半年ぐらいの面談を行って見極める。
とのこと。
聞いててため息が出るくらい、徹底している。
ここまで徹底するためには、新しい会社でなくては駄目なのも納得。
ただ、あこがれても既存の会社をここまで徹底したものに仕上げる労力を費やすぐらいなら(不可能に近い)転職転社した方が、本当にやりたい事をすぐ出来るのだろうなと感じた。
全体を聞き終わって感じたことは、
永和システムマネジメントさんの「価値創造契約」は、既存の会社でAgile開発に適応した契約形態を考えた場合に生み出された契約形態だと思った。現実→理想という思考かな。
ソニックガーデンさんの「ソフトウェアパートナーシップモデル」は、理想の契約形態を想像した上で、現実の受託開発に落とし込んだ結果生み出された契約形態だと思った。理想→現実という思考かな。
今の職場がどちらに近いかで考えると「価値創造契約」に近い契約形態を生み出さないと顧客を巻き込んでのAgile開発は難しい。
もしくは、 カンパニー制などであれば、完全に仮想プロダクトオーナーをたてるというのもありな気がする。